カラーマネジメントモニター BenQ PV270を導入したので、購入検討している人の参考になるようなレビューをしたいと思います。
EIZOのFlexScanというシリーズのものからの入れ替えですが、結論から言ってめちゃくちゃイイです!本気でおすすめ出来ます。
まぁまず、カラーマネジメントって何?って人のために簡単に説明入れときます。
カラーマネジメントとは、最終的に仕上がるものの色がズレた色にならないように管理することをいいます。
例えば、印刷物とかWebサイトや映像なんかを作る時に誰が作っても赤は赤。青は青。緑は緑といった具合に出来上がるものの色が違う色にならないように管理することです。
カラーマネジメントが出来ていない環境で作業をすると極端な話し、赤が青に、緑が黄色になったりします。そうなると自分がイメージして作ったものが他の人には違うものに見えて伝わったりしちゃんですね。
具体的に言うと食べ物の広告なんかで、暖色で温かそうな食べ物が、寒色で冷たそうに見えるだけで買いたくなくなりますよね?
それぐらい色というのは、人の潜在意識に訴える力があります。
これは極端な例で、ここまで色がズレることはないと思いますが、こういったミスマッチが起きないためにカラーマネジメントモニターが必要なんですね。
カラーマネジメントモニターに求めるもの
僕がカラーマネジメントモニターに何を求めてるのかというと、微妙な色の違いをしっかりと認識出来る色の再現性です。デザインなんかの作業をしていると、この微妙な色の差がデザインを構成する上で大事なポイントになってきたりします。
再現性の悪いモニターだと、そもそも判断が出来ないので、モノづくりにおいては不利です。特に広告のデザインなんかでは、小さな色の選択ミスで、売り上げに影響を与えてしまいます。
次にコスパ。
そりゃ最高品質のものがいいに決まってますが、予算というものがあります。品質と自分の予算内で買えるバランスのいいものがいいですよね。僕が、広告の業界に入った新人のころは、カラーマネジメントモニターの金額を見て驚愕したものです。
そんな時代とは変わり、現在では、ソフトもハードも比較的に誰でも導入できる価格帯に落ち着いてきてると思います。
PV270の基本性能
公式サイトを見れば詳しいことを書いているので、ここでは僕が重要視しているスペックだけ簡単に書いときます。
画面サイズ | 27インチ |
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パネル | IPS |
解像度 | 2560 x 1440 (WQHD) |
色域 | DCI-P3 96%, AdobeRGB 99%, Rec. 709 /sRGB 100% |
モニターのサイズは27インチで視認性に優れたIPSパネルを採用してます。解像度は、フルHDより少し大きい WQHD (2560 x 1440)。色域のカバーは、DCI-P3 96%、Adobe RGB 99%、Rec. 709 100%と文句のないスペックです。
PV270は、DCI-P3 という映画撮影のカラーフィルムの色域に対応したデジタルシネマ規格に対応しています。まぁ要するに「写真から映画まで色の管理が必要な作業に全部対応出来ますよ」というスペシャルなモニターということです。
DCI-P3は、米国の映画制作会社で構成される業界団体Digital Cinema Initiatives(DCI)で定められたデジタルシネマ規格です。映画撮影に使われるカラーフィルムの色域に対応し、比較的広範囲の色域を表現できまる規格ですね。簡単にいうと映像用の色域規格です。
これで、約11万円というから、本当に驚きです。
また、工場出荷時に個別キャリブレーションをしてくれているので、マメにキャリブレーションを行っているような厳格なプロの現場でもない限り、そのまま繋いで使えますね。僕が接続した時も気になる所は、ありませんでした。
BenQ PV270の外観
先ずはソファにおいてパシャ。
実際の見た目は、思ってたより作りがしっかりしていてカッコいいです。宣材写真より全然かっこいい。これはテンションあがります。
サイズは27インチなんですが、デスクトップ用のモニターとしては、個人的にベストサイズです。今まで10年ほど24.1インチ(1920×1200)を使ってて、買った当初は大きくて満足してたはずなんですが。慣れ?なのか、ここ最近は小さく感じて来てました。約3インチの差ですが、随分印象が違います。
モニターの表面はアンチグレアです。映り込みはほぼなく作業に集中できます。
BenQ PV270の入力端子
せっかくのカラーマネジメントモニターです。接続はもちろん DisplayPort(ディスプレイポート)を使います。
他にもHDMI、DVI、Mini DisplayPort、と一通り主流なものは、すべて繋げられます。側面にはUSB 3.0が2個とSDカードリーダーが1つ。こいつが何かと便利。
PV 270 は回転出来る
これは、あんまり珍しくもないですが、横回転できます。縦にレイアウトして使いたい時にいいですね。僕は使いません。
横向きのレイアウトにした状態で 25cm 程度高さ調整出来ます。
BenQ PV270の特長
PV270のおすすめポイントは、まずはコスパ。この価格と品質で約11万円は本気でお買い得です。製品は、安かろう悪かろうではなく、競合製品に比べ品質と料金のバランスがめちゃくちゃいい!
ライバル社の同等のものだと、EIZO ColorEdge CG2730が22万円前後。だいたい倍の金額ですね。さすがにモニター1台に20万円は、躊躇するレベルです。というかスペック的には、PV270とCG2730はほぼ同等なので、10万円の差が本当にあるのか?という疑問さえあります。
それぐらい製品としての高さには、驚きました。
しかも遮光フードまでついてます。
遮光フードもついてこのお値段。コスパ良すぎます!昔は、カラーマネジメントモニターと言えばEIZOさん、NECさん辺りがメジャーだったのですが、時代と共にいいものが手ごろな価格で提供できるメーカーが出てきてくれたことは消費者としては本当にうれしいことです。
PV270とSW2700PTの違い
BenQのカラーマネジメントモニターに27インチのモデルが2つあります。同じような製品ですが、PV270の方が、DCI-P3という規格に対応しています。AdobeRGBとDCI-P3の色域に対応しているので、少しお高いです。SW2700PTの上位機種的な位置づけですね。
PV270を使ってみて
実際に設置してパソコンに繋いで感じたことは、画面解像度が上がったことによって映るものがシャープに見えるようになり単純にモニターがワンランク上がった様な感覚を味わうことが出来ました。
画面解像度が高くなった分、文字が少し小さくなり、画面の情報がまとまった印象になったのが要因だと思います。文字が小さくなるのは、好き嫌いが分かれると思うのですが、個人的には好印象。感動してテンションが上がりましたw
奥行 70cm の机に設置していますが距離感もよく、サイズ感もドンピシャです。これは作業が捗ります。また遮光フードを付けると存在感がハンパないです!プロの道具を使ってるという所有感が男心をくすぐり、やる気を出させてくれるでしょう。
1点誤算だったのが、サブモニター(1280×1024)を使ってデュアルディスプレイにしていたのですが、画面解像度の差が大きくなり、モニター間でブラウザやエクスプローラーを移動した際にモニターに表示されるサイズ感が違い過ぎて違和感が大きくなったことです。
しばらくこの状態で使ってみて慣れることが出来なければ、サブモニターを入れ替えないといけないですね。個人的には、SXGA (1280×1024)の正方形に近い形がデスクのスペース的にも使い安かったのですが。。。
まぁまだ使いはじめて数日ですが、サイズ感、カラーマネジメントモニターとしての役割など十分に満足のいく性能を出してくれています。
前まで使用していたモニターもAdobe RGBカバー率: 98%(NTSC比102%)のカラーマネジメントモニターだったので色の再現性については大きな感動はないですが、製品力の高さによる満足感は大きいです。
個人的には、ColorEdgeよりもデザインが好きです。実物はかなりかっこいいです。
近々、地元バンドのMusicVideoの編集があるので、その時にでも実際の使用感というか色の出方なんかも旧モニターと比較してみたいと思います。
他にも定期的にキャリブレーションも必要なので、キャリブレーション作業のやり方なんかも別記事で紹介出来たらと思います。
カラーマネジメントモニターを検討中ならBenQ製品、おすすめですよ。
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